おかさんクリニック

未病医学について

未病とは、「まだ発病はしてはいないが、健康な状態から遠のきつつある状態」を指します。つまり、心身が健康な状態から病気になっていく過程のことで、疲労感や眠気、頭痛やシビレ、不眠や冷えなどの軽度ながら自覚がある場合と、採血結果や血圧測定などの検査で初めて気づかれるものがあります。
「未病」=「未だ病ならず」=「病気になる前の状態で、健康ではない」。この未病の段階で存在する体や心の異常を発見し、原因を調べ、有効な対抗策を求める学問が「未病医学」です。
病気へ進展することを防ぎ、健康へと回帰させるための医学的介入が「未病治療」と呼ばれるものです。未病治療は病気を防ぐだけではなく、健康寿命を延ばし、老化を遅らせ、さらに若返りを目指すもの(アンチ・エイジング)と言えます。

健康から病気への流れで重要視されるキーワードが、生活習慣、血流、自律神経バランス、栄養、運動、腸内環境、ストレス、慢性炎症、活性酸素、免疫異常、遺伝子異常、環境汚染、代謝異常、老化などです。
既に明らかとなったものには、肥満に対して食事の改善や運動量を増やし、規則的な生活に改善することで、脳卒中や心筋梗塞、認知症までが予防できること。また、若い女性の貧血を改善するだけでうつ病や自殺を防げる可能性など、様々な事象が明らかになっています。

年齢とともに体内の活性酸素が増加し、自身の血管や皮膚などの構成成分が酸化(錆る)されることで、動脈硬化や白内障、皮膚の老化が起きることが知られています。この時最も深刻なことは細胞膜(脂肪酸二重膜)の酸化により、膜流動性や物質透過性が低下し細胞代謝が低下することであると言われています。特にエネルギー発生器であるミトコンドリアも脂肪酸二重膜構造であるため、生命活動に大きな影響を受けます。ミトコンドリアの機能低下は組織修復や免疫異常の原因と言われ、自己免疫疾患や免疫応答の低下、動脈硬化、アルツハイマー病の原因物質であるアミロイドβ排除機能の低下など様々な機能障害が引き起こされます。
酸化された細胞膜の回復にはレスベラトロールやビタミンC、ビタミンE、ポリフェノール等の栄養成分が有効とされていますが、水素ガスの吸入、高電位治療器、放射線ホルミシスの使用も有望視されています。